浄土真宗本願寺派 光寿山 正宣寺

報恩講に思う

 報恩講(ほうおんこう)をお勤めするのは、お念仏のみ教えを喜び、味わせていただくと共に、そのお念仏のみ教えをおすすめくださった親鸞(しんらん)聖人のご遺徳のほどをしのぶためです。

 宗祖親鸞聖人をしのぶお念仏の集まりは、聖人がお亡くなりになった直後から続いていましたが、現在の報恩講のようになったのは、聖人のひ孫で本願寺第3代の覚如(かくにょ)上人が1294年(永仁2年)、聖人の33回忌を勤めるにあたり、そのお徳をたたえるために、法要の儀式や作法を『報恩講私記(ほうおんこうしき)』と言う書物として作られ、これより以来聖人のご命日(1月16日)にお勤めする法要を報恩講と呼ぶようになりました。

 この700年の間には、本願寺や世状等の理由により、報恩講が盛大に勤められた時もあれば、簡単に形だけで勤められた時もありましたが、とにかく1年も休みなく勤められました。

 西本願寺では現在、1月9日から16日まで1日平均3回(朝6時30分、午前10時、午後2時)の「御正忌(ごしょうき)報恩講」が勤められております。

 朝の法要の参詣者は午前、午後にくらべると幾分少ないようですが、10時、2時の法要には遠近各地よりの参詣人(約3,000人)により約800畳敷の、あの大きな御影堂(ごえいどう)は何時もいっぱいになります。

 法要のほかにも布教(ふきょう)(法話)や門信徒の集い、その他の多くの催しが行われております。海外も含めて本願寺派の10,600のほとんどの寺々でも報恩講は勤められます。

 昔は門信徒の皆様のお家でも「御正忌さん」といって、家々で勤められておりました。所によっては今でも家々で勤められている地方もあります。

 特に関西地方の多くの寺々では、報恩講を「お取り越し」といって10月から12月の初旬にかけて勤めます。これは早めにすまして、1月9日から16日までの本願寺の「御正忌報恩講」に1人でも多くの人々がご参詣せられることを願ってのことです。

 皆様も1度は本願寺の「御正忌報恩講」にご参詣をされ、700年の伝統の重みと深みを感じとっていただきたいものであります。

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